2019年 富士山女子駅伝報告
2019年 富士山女子駅伝報告
29日㈰午後2時。支部長を始め5名は、明日のレース後の懇親会場である「ホテルグランド富士」に必要備品を
運び込んでいた。そして、第3中継所の前でもある、ホテルの入り口に「名城大学」の幟旗を掲げたのである。
その後、10分程先にある、富士文化会館(ロゼシアター)へ向かい、開会式に臨んだ。
全日本大学女子駅伝で優勝した名城大学の塩崎主将は、全24チームを代表して『私達がこの1年仲間と共に
作り上げて来た"ONE TEAM" 一人一人の想いを襷に込め、この富士山の麓を全力で走り抜くことを誓います』と
力強く宣誓した。
30㈪午前9時。自宅を出る時、パラパラと雨が落ちて来た。途中、ホテルと新富士駅へ寄り他支部からの応援者を
乗せて4区の応援場所へ向かった。ここで、4区を走る山本選手のお父様と合流した。今朝早く豊田市から車2台で
駆けつけたのであった。既に雨になっていた。 手短に自己紹介と本日のメンバーを伝え、ジャンパー、幟旗、手旗を
持って応援場所へ歩き出した。 この時、名城大学の襷は3区の井上選手に3位で引き継がれていた。
応援場所は、富士川の河川敷沿いで、海に近い事から冷たい雨と共に風にも吹きさらされた。東北支部長は「仙台
よりも寒い」とつぶやいていた。 手旗を配っていると、5~6才位のお子様連れの親子が沿道にやって来た。
その子に手旗を渡そうとした時、なんとその子の右手には、昨年配布した「名城大学」の手旗が握られていたのである。
「僕、1年間持っていてくれたんだ。ありがとうね。新しいのが有るから。」と言って、今年の手旗を渡した。
やがて、トップに立った立命館大学が通過して行った。 続いて全日本大学選抜、そして山本選手が見えて来た。
1位、2位とも差が無い。 5区で充分トップに立てる位置だ。「有真!頑張れ!」「有真!ラストだ!」の声援がとぶ。
「立命館大学を詰めて来た」の声に、一同「よし!」と叫び、足早に駐車場に戻った。山本選手のお父様達は、ゴール
地点へ向かうので、ここで別れて我々は6区へ向かった。山本選手は、仙台に続いて区間賞を区間新記録で獲得した。
その1年生の快走に、エース加世田選手は、直ぐに反応した。2位の選手をかわし1位の立命館大学に追いつく場面が
車中のTVに映し出された。丁度5区名城大学大応援団の前である。そして、ここで初めてトップにたち、その後も着実に
後続チームに差を付けて6区の小林選手に繋いだ。
6区の応援場所に到着して、幟旗を杭に縛り付け、手旗も配布して準備を整えた。やがて、小林選手が快調な走りで
やって来た。次に待つ、足を痛めて万全な状態では無いアンカーの和田選手の為に、少しでも貯金を作りたい必死さが
伝わってくる。そして、宿敵大東文化大学には1分半以上の差をつけていた。 「ここまで順調に来ているかな」と
思いつつ、手早く後片付けをし、交通規制解除を待ってゴールの陸上競技場へ向かった。
既に、襷は和田選手に引き継がれていた。 ゴールまで無事にたどり着けるのか心配であった。 それでも、最初の
平坦コースは、何事も無かったかの様に快走している。 そのアンカーコースを車で走っているのだが、徐々に上り坂の
勾配がきつくなり雨脚も強くなってきた。 TVの画面では、懸命に坂道を上る和田選手が映し出されていた。
そして、最後の競技場へ向かう交差点を右折する姿を見て「ここまで来た。もう少しだ。」 和田選手も一段と厳しく
なった最後の直線の坂道を登って行く、その渾身の力が画面からも伝わってきた。
そして競技場のトラックを周回する姿を見て勝利を確信し、ゴールテープを切った瞬間、車内では「バンザーイ」と叫び
拍手が起きた。
昨年の悲願の初優勝は、本当に待ちに待った優勝であり、嬉しく、感極まったが、今年の優勝は、前年のそして
全日本の覇者としての面目躍如と万全でない状況下でのゴールに安堵した。
それだけ、勝ち続ける事の難しさを、知らず知らずの内に我々応援者も感じていたのであろう。
『悪天候の時にも、いつもと変わらない力を発揮できるのが本当の強いチームだ。それがお前らにはできる!』
そう言って、監督に送り出された選手とサポート部員の絆が、1本の襷に染み込んでの勝利であった。
そして、その襷には雨の中、沿道から送り続けた100名の声援も染み込んでいるに違いないだろう。
2020年、その襷は、最終学年を向える加世田主将の『集大成に挑む LASTRUN』に受け継がれて行くのである。
選手の皆さん、チームの皆さん 本当にお疲れ様でした。そしておめでとうございます。
最後に、応援に関わって戴きました全ての皆様に感謝し、御礼を申し上げます。ありがとうございました。
校友会静岡県支部 副支部長
富士山女子駅伝応援企画実行委員長 山田 光一
地区:13.静岡|更新日:2020年01月20日